お散歩の途中で、同じキャバリアの子とすれちがう。思わず足がゆっくりになって、「うちの子と、どこがちがうかな」と見くらべてしまう。キャバリアと暮らしていると、そんな瞬間があるのではないでしょうか。
だからこそ、キャバリアのグッズを選ぶときにいちばん気になるのは「うちの子に似ているか」です。この記事では、「似てない」を避けるための3つの見どころ(高い位置から垂れる長い耳・胸もとと鼻すじの白・栗色の入り方)を、犬種団体の犬種標準もふまえてまとめました。あわせて、刺繍の図案を描く目でキャバリアの顔を分解し、毎日使えるグッズの選び方もお話しします。
キャバリアグッズは「うちの子に似ているか」で選ぶ
キャバリアのグッズは、ほかの犬種にくらべると見つけやすいほうかもしれません。それでも手に取ってみると、「キャバリアと書いてあるけれど、なんだかちがう」と感じるものに出会うことがあります。
その「ちがう」の正体は、たいてい顔まわりの小さなことです。耳が短い。白い部分の場所がちがう。栗色がのっぺりしている。ひとつひとつはささいでも、毎日その顔を見ている飼い主さんの目は、すぐに気づいてしまいます。
イギリスのケネルクラブの犬種標準は、キャバリアの全体の印象を「活発で、優雅で、バランスがよく、やさしい表情」と書いています。この「やさしい表情」がどこから生まれるのかを知っておくと、グッズを見る目が変わります。見るところは、耳、白、栗色の3つです。
見どころ1:高い位置から垂れる、長い耳
キャバリアらしさを決めるのは、まず耳です。犬種標準では、耳は「長く、高い位置についていて、飾り毛が豊か」とされています。歩くたびにふわりと揺れて、撫でるとさらさらと指のあいだを流れていく、あの耳です。
見落としやすいのが「高い位置」というところです。耳のつけ根が頭の上のほうにあるので、正面から見ると、頭のてっぺんがたいらに見え、その両はしから耳が流れ落ちるような輪郭になります。グッズを見るときは、次のところを確かめてみてください。
- 耳のつけ根が、目の高さより上にあるか
- 耳が長く垂れて、顔の横で少しふくらんだ、まるい輪郭をつくっているか
- 耳の毛に、まっすぐか、ゆるく波打つ程度の流れがあるか(犬種標準では、毛は長く絹のようで、巻き毛にはならず、軽いウェーブは許されるとされています)
耳が短く小さく描かれていたり、つけ根が低すぎたりすると、別の犬種に見えてしまいます。耳は、キャバリアのグッズでいちばん「似てる・似てない」が分かれるところです。
見どころ2:胸もとと鼻すじの、やわらかな白
キャバリアの毛色は、犬種標準で、ブレンハイム、トライカラー、ブラック・アンド・タン、ルビーの4つと決められています。グッズでよく見かけるのは、真珠のような白地に栗色の模様が入るブレンハイムです。この毛色の子を描くとき、表情を大きく左右するのが「白」の置き方です。
- 額から鼻すじにかけて、白いすじがすっと通っているか
- 口もとが白く、ふっくらしているか
- 胸もとの白が、ふんわりと広がっているか
とくに胸もとの白は、おすわりしたときや、こちらを見上げたときに目に入るところです。顔だけのデザインでは見えにくいので、全身を描いたグッズを選ぶときは、ここを見ておくとよいでしょう。
白い毛がただ白く塗られているのではなく、毛の流れが感じられるかどうかも大切です。そこにやわらかさがあると、抱きしめたときのふわっとした感じまで思い出せます。

見どころ3:一頭ずつちがう、栗色の入り方
ブレンハイムの栗色は、耳と目のまわりを中心に、背中や体に入ります。その入り方は一頭ずつちがいます。犬種標準では、頭の模様は左右にほどよく分かれているのが好ましく、耳と耳のあいだの頭のてっぺんに、栗色のひし形の模様(ロズンジ、ブレンハイムスポットとも呼ばれます)があると珍重される、とされています。ある子もいれば、ない子もいます。
ですから、グッズの模様がうちの子とぴったり同じである必要はありません。大事なのは、全体の雰囲気が近いかどうか。次のような目で見てみてください。
- 栗色が一色でべったりではなく、濃いところと明るいところがあるか
- 白と栗色のさかいめが、くっきりしすぎず自然か
- 目のまわりの栗色が、大きなまるい目をやさしく囲んでいるか
トライカラー、ブラック・アンド・タン、ルビーの子なら、同じように「その毛色らしさ」を見てみてください。トライカラーとブラック・アンド・タンは、目の上や頬、耳の内側などに入るタンの点が、表情のかなめになります。
刺繍で描く人の目で見る、キャバリアの顔
刺繍の図案を描くときは、写真をそのまま写すのではなく、顔を「線」と「面」と「糸の向き」に分けて考えます。キャバリアを描く目で分解すると、似せるための手がかりは、次の4つに集まります。
- 耳のつけ根の位置:頭の高いところから耳が始まる。ここが下がると、とたんに別の犬種の顔になる
- 目と鼻の三角形:犬種標準のとおり、目は大きく、まるく、左右がよく離れている。目と鼻を結ぶ三角形が横に広く、鼻までの距離が短すぎないことが、おっとりした表情のもと
- 毛の流れの向き:顔の毛は短く、耳と胸の飾り毛は長く下へ流れる。長さのちがいが、そのまま描き分けどころになる
- 毛色の境目:鼻すじの白と目のまわりの栗色の境目。ここをどう置くかで、凛々しくも、おっとりにも見える
刺繍の技術でいうと、一般に、糸を長く渡すサテンステッチは光をよく返すので、耳の飾り毛のような長い毛の流れに向いています。広い面は、短い針目を積み重ねるタタミ(フィル)で埋めるのが一般的です。同じ色の糸でも、針目の向きを変えるだけで光の返り方が変わるので、白い鼻すじと白い胸もとのように、同じ白どうしも描き分けることができます。また、白い糸は下の生地の色が透けやすいので、先に下縫いで土台を整えておくことが、白をきれいに見せるこつとされています。
グッズを手に取ったときに、耳の毛の向きや、白の中の糸の向きまで見てみると、「似ている」の理由が見えてくるはずです。
キャバリアグッズは「毎日使えるもの」を選ぶ
似ているグッズを見つけたら、次に考えたいのは「どう使うか」です。飾っておくものもすてきですが、一日のなかで何度も目に入るのは、毎日手に取るものです。
朝、かばんに入れるとき。外で手を拭くとき。ポーチの中をさがすとき。うちの子に似た顔がそこにあると、それだけで気持ちがふっとゆるみます。うちの子の写真をプリントした小物や、手づくりのものも、それぞれにすてきな残し方です。刺繍は、糸の重なりで毛並みのやわらかさが出るのと、くり返し使っても絵柄がはがれにくいところが持ち味です。
選び方のポイント
- 耳のつけ根が高く、長い耳がまるい輪郭をつくっているか
- 鼻すじと胸もとの白に、毛の流れが感じられるか
- 栗色に濃淡があり、白との境目が自然か
- 飾るより、毎日持ち歩けるものか
刺しゅうの服 HANA では、図案と刺繍データを HANA でつくり、ぱっと見た瞬間に「あ、この子だ」と思えるまで、図案を十数回引き直しています。前あしをそろえておすわりした全身の《おすわり》シリーズなら、顔だけでは見えない胸もとの白まで持ち歩けます。

寒い季節のお散歩には、おすわりしたキャバリアを左胸にワンポイントで刺繍したトレーナーもあります。
お顔の刺繍のポーチなど、ほかのキャバリアのアイテムは、キャバリアのアイテム一覧からご覧いただけます。
まとめ:「似てる」の決め手は、耳と白と栗色
キャバリアのグッズ選びで「似てない」を避けるには、次の3つを見るのが近道です。
- 高い位置から垂れる、長い耳のふくらみと飾り毛
- 額から鼻すじ、胸もとにかけてのやわらかな白
- 一頭ずつちがう、栗色の濃淡と白との境目
キャバリアの毛色は4つ。どの毛色でも、耳のつけ根と、離れたまるい目を見れば、その子らしさが見えてきます。似ているものが見つかったら、毎日使えるものを選ぶこと。小さなハンカチひとつでも、一日に何度も「あ、この子だ」と思える時間をくれます。
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